イベントについて

書家としてこの10年間作品を発表し続けてきました。

最近になって僕の書は「捧げるもの」だと気づきました。

それは個人の幸せのためであったり、イベントの成功のためであったり、お祭りであったり。
そのどんなときにも「超越した存在」に対して人々の想いを、祈りを、書にこめて奉納してきたんだ、と思います。

古来から日本人が大切にしてきたものに「奉る」という精神があります。
「書」のすべての所作は、「日本」という精神の根幹にあって、「神事」だと思っています。

そんな日々の活動で浮かび上がってきたイメージが「超越した存在」と人々が「ひとつになる」ことでした。

「祈り」とは「ひとつ」になること。
そして、「ひとつ」になるまでの過程なんじゃないか、そう思うようになりました。
人が手を合わせ「ナニカ」に祈りを捧げる。その姿は本当に美しい。

宗教、思想、政治、民族、人種、国、経済などの相違は一切関係ありません。
国を超え、宗教をこえ、思想を超え、太古の昔から人類に不変な行為とも言えると思います。

僕が書を通じて捧げるもの。
それをもっとも象徴的に表す言葉が、「祈り」なんだろうと思います。
それは東日本大震災や熊本地震といった、圧倒的な「ちから」を前に肌で地球を、いのちを感じながら書くにつれ強くなった想いです。

ふと、祈りや想いを奉納するために僕という人間が使われているんだろうなと感じることがあります。
そしてそのことに気づいたとき、僕の中に渦巻いていた行き場のない感情が晴れ、腑に落ちました。
今回の個展では「祈り」をテーマにしました。
それこそが今僕がもっとも伝えたいメッセージだと思ったから。

なぜ有松なのか?
という質問を多く聞かれることがあるけど、ただシンプルに「やりたい」と思った。
そしてそこにベストタイミングでのご縁があった。それだけです。
きっと当日を迎え、その本当の意味が見えてくるんだと思います。

今回の個展はこれまでより激しく、静かで、これまでよりシンプルです。
多くの人に伝えたいことがあります。

SPECIAL THANKS

  • 高萩正志
  • 正住さえみ
  • 小松大樹
  • Cana Area
  • 奥田表具店
  • 橋口博幸
  • tmugu DESIGN ROOM
  • 河本翔子
  • 新井良規
  • 永作佳紀
  • 高岡春満

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